ヤノベケンジ入門 lucky dragon 文字お越し集  04 2018年 作成 

進行:クルーズの見せ場はこの場所です

女:テレビのニュースでしりまいした
 えー見てジャーお祈りしていこう

ヤノベ:戎橋に人が集まりだしましたねー。 はははは拍手ー。
男:船と並走しながら色々パフォーマンスしてくれるんで、それとヤノベさんとかの話も楽しかったです。
女:珍しい景色が観られてよかったですね特に河口のところのほうはねー、あんまり見れないんでねー・この作品以外の色んな文脈が分かった気がしましたた
ドラゴンは時間の流れみたいなの運んできたんじゃないですかね、蓄積みたいな感じだと思います
女:私は岐阜から来たので、こんなふうに大阪以外のところから、楽しいものを観たいっていう人たちを呼んできたのかなーと思います





進行:大阪市と大阪府のトップ二人にも、ラッキードラゴンのお披露目をしました。
ヤノベ:どうもヤノベです
市長;どうもありがとう
ヤノベ:やっと完成しました。
市長;凄い。ありがとうございます、それと本庁のジャイアントトらやん、あんなにぴたっと収ってええにゃろうかと
ヤノベ:そうですねー、非常に素敵な空間になったんで、最初緊張してましたけど。

府知事:これはどうもすみませんありがとうございます。これ目立つなーでもこれねー
ヤノベ:これ動くと凄いですよ、首が10mぐらい上がって、
府知事:そんなにあがるんですが、へえーこれは迫力ありますねー

女:ラッキードラゴンみたいなーと思って。どこから来るんか分かれへんんから、楽しみなんです。
男;三回目、
男;どんなところに惹かれますか
男;やっぱおもちゃみたいな、大きくって、実際に動いてて、
女:美術館じゃないっていうんもかっこいいし、
子ども:乗っているところ、黄色いロボット

ヤノベ:大きな川の上でね、パフォーマンスとしてみる
ナレーション:この日はヤノベさんも家族サービス。子供と一緒にラッキードラゴンのパフォーマンスが始まるのを待ちます。
子供;羽が付いてたりとか、目とかがかっこいい
男:今までお父さんがつくったやつの中で、比べたらどう、
子供:ラッキードラゴンが一番いい。


進行:
水都大阪が開幕して、しばらく経ってから、ヤノベさんは東京にある、第五福竜丸展示館を訪れました。55年前に太平洋ビキニ環礁の水爆実験で被ばくした、第五福竜丸は今ここで、永久保存され、核の無い世界を願いメッセージを静かに発し続けています。

1954年、日本の鮪漁船第五福竜丸がアメリカの水爆実験で被ばくし、世界的なニュースになりました。船はその後、廃棄処分になって、ごみ埋め立て地に放置されていましたが、保存運動が起きたことから、東京都がこの展示館を建設し、今に至っています。

ヤノベ:どうも、お久しぶりです
学芸員:よく来てくださいました。
ヤノベ:お招きいただきありがとうございます
学芸員:行きましたよ
ヤノベ:そうですか、
進行:5年前(2004年)、館内での展覧会を企画していた安田さんから依頼を受けてヤノベさんは、第五福竜丸の横に、自分の作品を展示することになりました。 その時の作品が水都大阪2009にも出品されている、森の映画館です。一見小さな丸太小屋のような作りで、子供しか入れないという注意書きがあるこの、映画館、実は核シェルターという設定です。中で流れている映画では、腹話術人形のトらやんが初めてヤノベ作品に登場し、子供たちに核戦争後の未来を生き残る術を教えます。ヤノベさんはこの作品を自分の苦い体験をもとに制作しました。

 1997年、パフォーマンスとして、放射能防護服を着て、チェルノブイリを訪れた際、人々が放射能で汚染された地域を離れず生活している事を知りました。自分の行為に罪悪感を持ち、それを乗り越えるための表現や作品を模索していた、丁度その時、第五福竜丸展示館からの依頼があったのです。
 
学芸員:いい作品だなーと思いましたね。それは福竜丸とも、非常に、木の船であるというところで、なんか溶け込んで、なんの不自然さもなく、そこに、在るという。面白いだけども実は発信してるメッセージはとても怖いものがあるというか、あるいはとっても大事なメッセージを密かに発信しているというね。

ヤノベ:森の映画館という作品、それを作れた時は自分自身も、チェルノブイリの体験がある程度自分の中で形となって来たな、と思えるような作品でもあり、その作品からは、第五福竜丸の展覧会に出品しても、いいんじゃないか。と思えるように、なって。

進行:トラヤンが登場し、その後、大活躍するのも、この第五福竜丸との出会いが切っ掛けでした。そして、今はまた、ヤノベさんは新しい作品に福竜丸の英語名である、ラッキードラゴンという名前を付けたのです。

ヤノベ:今日、第五福竜丸の展示館に改めて来て、やっぱり、この横で生まれたトらやんがこの船に本当に乗り込んで、この船をゆっくりと、改造していたんだなーと、そして、人類の不の遺産を語り継ぐ船を全く違う、次の新しい何かを作るための、イマジネーションの化け物に作り替えようとして、今のラッキードラゴンがね、完成して、それが、大阪の町中で。この第五福竜丸は二度と水の上を走ることはないんだけど、新しい、福竜丸は元気よく、生き生きと何かを作る種をまくために、水の上を走って火を噴て、羽を広げ、のびのびと、泳ぎ続けているんじゃないかなーという気は凄く、するんですね。それの、ビジョンがイメージが今、繋がりましたねー。そういう意味で。はははははは。


















おやじ:ようこ りくこ、おじいちゃんのこの家は面白かったか。よう覚えてきやーよう覚えておきやー。これからなー、この映画館はなー、木の小屋で作っているようやけどなー、実はなー、鉄でなー、丈夫にしてあんの、シェルターちゅんやな、それもよー覚えておき、ほれでなー、爆弾がぴかーっとなー 慌ててなーこの小屋の中に入るんやでー。それもしっかりと覚えときー。それからな ちゃんと生きるためになーお菓子屋な、ジュース瓶な、ちゃんと準備しているからなー


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ヤノベケンジ ラッキードラゴンの伝説 2009 4/5